2020年5月3日

十階のモスキート(日本,1983)

交番勤務の冴えない中年警察官。昇進試験を受けて出世しようと目論むけれども,もう20年。離婚された妻から養育費として金を催促され,娘から小遣いをせびられ,バーのママからツケを請求され,競艇で金をすり,唯一の楽しみとしてパソコンを購入するためには金が必要で,やがてサラ金に手を出す。金,金,金。

追い込まれて少しずつ荒んでいく男を,内田裕也が演じる。晩年は「ロケンロール!」と決める怪しいロン毛の爺さんですが,この頃の内田裕也は,寂しげな目がなんとも味があります。それまでの暗い表情から反転して,最後,壊れて走りだすところはとても良かった。走り方がいい。

★★


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