2020年3月31日

ザ・ミスト(原題:Dans La Brume)(フランス/カナダ,2018)

原題のDans La Brumeは,「霧の中で」という意味のようです。90分の映画。ある日突然,地下から致死性のガスがあふれて街を覆います。見ている感じだと,だいたい地上4階ぐらいのところまでをガスが霧状に覆い尽くします。4階より上(だいたい建物の屋根部分ぐらい)は無事。主人公夫婦はかろうじて上階に逃れます。

問題はその娘。娘は自己免疫系の疾患のために,空気清浄装置の付いた巨大なカプセルの中で生活しています。建物の2階ぐらいに装置は据えられているので,もちろん,霧(毒ガス)の中。夫婦はなんとかして娘を救い出そうと,酸素ボンベを入手しながら手を尽くすけど上手く行かず・・・。

結末(あるいはメッセージ)は,途中で少し「もしや,そういうことか」と気がつきました。物語中,ずっと霧の上はスッキリ晴天。あえて霧に覆われているところとのコントラストを目立たせるためかと思うので,それはそれで非常に良いのですが,しかし,霧(というか毒ガス)は,雨が降れば消えそうな気もするから,天候が変わるのを待てば良いんじゃないか,と思いました。

しかし,パリの街を覆う濃い霧(毒ガス)内の映像はどうやって作ったのか,そこは圧巻です。90分で,面白く観られました。

★★★


2020年3月30日

ブレードランナー2049(原題:Blade Runner 2049)(アメリカ,2017)

『ブレードランナー』の,35年振りの続編。ハリソン・フォードは,『スター・ウォーズ』でも30年後設定でハン・ソロとして出てくるし,こっちでも同じパタンでの出演なので,ちょっと被る。

『ブレードランナー』の解釈としては,いろいろあって謎めいていて,だから良かった(名作として語り継がれてきた)わけで,でも一応,こうして一つ,最適解的な答えとしての続編は,悪くはない。ただ,物語内では「奇跡」で片付けているけれど,個人的にはこっちに行かなくても良かったかな~。

いくつか良く分からないところもあるので,そのうち再視聴して,理解してみます。

★★


2020年3月19日

トゥルーマン・ショー(原題:The Truman Show)(アメリカ,1998)

二十年ぶり?に見ました。今見ても面白いし,泣けます。やっぱりジム・キャリーが良い。

当時からアメリカではリアリティ番組があったのかもしれないですが,現在も,そして現在の日本も,こういうリアリティ番組が受けています。ただこの「トゥルーマン・ショー」はその極み,全部仕掛けであって,知らないのは当人だけ。普通なら早々に疑うものだけど,生まれたときから仕掛けられていたら,疑わないかもしれない。ジム・キャリーが,素朴で素直な感じが,また哀れを誘います。

モチーフは,カプグラ症候群だとも言われていますが,しかし,「現実はすべて作り物だ(周りはみんなお芝居している)」的な想像(妄想?)は,誰しも一度ぐらいはしたことがあるでしょう。まさにあれをそのまま地で行っている映画です。

★★★


2020年3月13日

痩せゆく男(原題:Thinner)(アメリカ,1996)

スティーブン・キング原作のホラー。肥満気味の弁護士ビリーが夕食の帰りにロマ(ジプシー)の老女をひき殺してしまう。弁護士と検事と警察署長はこの事件をもみ消した。すると,ロマの長老に呪いをかけられる。不気味な長老に”Thinner"といって顔をなでられると,それからというもの,食べても食べても痩せていく。

本人にやましいところがあるもんだからどうにも歯切れが悪く,やがて第三者に攻撃の矛先が向く。ストーリーは単純だけど,人間心理の痛いところを突いてくる。差別もテーマ。

★★



2020年3月4日

レッド・プラネット(原題:Red Planet)(アメリカ,2000)

2025年,地球の環境汚染が限界に達し,テラフォーミングしておいた火星に調査しにいく「マーズ1号」の乗組員のサバイバル。

悪くは無いけれど,全体として薄い。重大な謎が隠されているのかと思いつつ,想定内だし,最後まで何か大きな事故もあっと驚く種明かしもない。ピンチを増幅する敵も,いずれもあんまり脅威ではない。冒頭で登場人物紹介がてらキャラ説明があるが,そのキャラが立つほどセリフや行動に目立つところはない。むしろ,ああして言語化して最初に説明しちゃうところが,端折り感があってイマイチ。

事件らしい事件は起きず,なのになぜか最後はカップル成立,というアメリカ映画の黄金パタンで締めるところも,どうなんだ。これよりは,超低予算B級映画の「処刑惑星」の方がまだシュールで良かった。