2019年9月19日

ブラジルから来た少年(原題:The Boys from Brazil)(イギリス,1978)

第二次大戦後,南米で逃亡生活を続けるアウシュビッツの元医師,ヨーゼフ・メンゲレ博士。「死の天使」とあだ名されたメンゲレ博士は,アウシュビッツで人体実験を繰り返した実在の人物。

このメンゲレ博士のマッドなナチス復興計画と,それを阻止しようとするナチ・ハンター,リーベルマン。狂気のメンゲレ博士役は,かのグレゴリー・ペック(ローマの休日)。メンゲレ博士,そのマッドサイエンティストぶりに,最後は仲間(ナチ残党やネオナチ)からも見捨てられます。ヒトラーっぽいちょび髭と,変なドイツ語っぽい英語のしゃべり方が,良い。

しかし,タイトルからは想像もしなかったストーリーでした。原題の「Boys」と複数形を見ていれば少し違ったかも。ああ,そういうことか,と。だから,「ブラジルから来た少年たち」でも良いけど,それだとなんだか団体でご来訪,みたいな感じなので,まぁ,「少年」で良いでしょうね,やっぱり。

だいたい3分の2ぐらいのところで,ほほう,そういうことね,と分かるわけですが,それまでは,何がどういう話なのかよく分からないので,不思議な感じがします。ただ,1978年の映画なので,ナチの残党が亡命中だとか,「メンゲレ博士」という人物がどういう類いの人物かとか,それなりにまだ知られていた時代だとすると,リアリティを持って想像できるかもしれません。

★★


2019年9月12日

プリデスティネーション(原題:Predestination)(オーストラリア,2014)

ややこしい。でも,このややこしさがこの映画のポイント。見終わった後,何度も頭の中で映画のストーリーを反すうしてます。プリデスティネーション(predestination)は,「運命」「宿命」って意味ですね。話としては,よくできています。

とあるバーを訪れたジョン。中年に差し掛かった彼は,店のバーテンダーに,自分の数奇な人生を語る。

★★


2019年9月10日

いぬやしき(日本,2018)

ノリさんがロボットに。

しがない中年サラリーマン。あこがれのマイホームとそのローン。娘や息子や奥さんとのディスコミュニケーション。

そんな親父がなんでスーパー万能ロボなのか。ロボになった理由(原因)はあるんだが,なんでこんなマニアックな戦闘ロボなのか,なんでこんな能力があるのか,そこんところの説明は一切なし。とにかくスーパー万能ロボ。

メカは秀逸。戦闘もリアル。ノリさん演じる主人公・犬屋敷壱郎も渋くて良い。でも,とんねるず世代としては,やっぱり,ノリさんはノリさんに見えてしまう(笑)。




2019年9月9日

オール・ユー・ニード・イズ・キル(原題:Edge of Tomorrow)(アメリカ,2014)

近未来。宇宙からの侵略者「ギタイ」との戦争で,人類は圧倒的に不利な形勢。アメリカのメディア担当ケイジ少佐は,前線に出ることを拒んだために脱走兵となり,一兵卒として出撃することに。実戦経験の無いケイジは速攻でやられて死ぬのだが,するとまた,一兵卒として出撃するところで目が覚める。やがてこれを繰り返す時間ループの中にはまる。

面白い。よくできている。時間ループなのでややこしいところはあるけれど,そのややこしさをあんまり混線させないところで,疑問をあんまり挟ませない程度に,うまくつないでいる。主演はトム・クルーズ。

しかも,これ,原作は,日本のSF作家・桜坂洋氏。小説のタイトルも『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。映画タイトルの原題は,Edge of Tomorrow。訳せば,「明日の際」あるいは「明日の勝利」でしょうか。

『ミッション:8ミニッツ』とコンセプトは似てるけど,けっこう違う。絶対に面白い。

★★★★


2019年9月5日

カメラを止めるな!(One Cut of the Dead)(日本,2018)

なるほど~。そういうことか~。

いやはや,2018年度を独走した超話題作だったので,偶然観る機会がようやく得られて,さてさてどんな映画なんだとちょっと期待しながら見始めたら,なんてチープなゾンビ映画なんだと思って「おいおい,これが超話題作かよ」と落胆していたのは最初の10分ぐらいだけ。見ているうちに,あれ,何だかおかしいぞこの映画,と感じながら見ていると,30分ぐらいから「どういうこと?」「おお,そういうこと?」「なるほど~」となります。

これはすごい。うううん,唸らせる映画。映画的映画。話題になるのも納得。一度は観た方が良い作品。そして,記念すべき,このブログ初めての邦画。

★★★