ヴァンパイア(吸血鬼)ウィルスが蔓延し,大勢がヴァンパイア化し,世界はヴァンパイアが支配している。一方,わずかに残っている人間は絶滅の危機に曝されている。しかし,この状況は,ヴァンパイア社会からすれば,食料である人間の血液の深刻な不足に悩まされているということだ。血液を手に入れられない者は,ヴァンパイア化が進むために凶暴化してしまう。これも大きな社会問題になっている。
主人公のエドは,ヴァンパイア社会の血液学者として,「代替血液」の研究をしている。エドはヴァンパイア化した自分を良しと思っていない。つまり,人間の血液を飲むことを良しとしていない。このため,一刻も早く血液の代替物を完成させたい。そんな折,ある人間が彼に接触してくる。
吸血鬼が支配する近未来の世界を丁寧に描いていて,良かった。その世界での社会経済的問題が「血液不足」というのも面白い。
★★★
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