2020年6月16日

死霊のえじき(原題:Day of the Dead)(アメリカ,1985)

ジョージ・A・ロメロの初期ゾンビシリーズ完結編。ゾンビ・アポカリプス後の世界で,なんとか生き延びている数名の軍人たちと研究者たち。地下洞窟に身を隠し,ゾンビの世界で生きるための研究を続けるが,なかなか光明は見えない。

マッドな博士によるゾンビを手なずけよう(意のままに操ろう)とする研究は,そもそものゾンビの元ネタであるハイチのブードゥー教で死体を労働力に使っていたという伝説そのもの。

初期ロメロゾンビ(古典ゾンビ?)は,ゆっくり歩く。決して走らない。そこがまた味があって良い。走ったり力が強かったりだと,それはもう恐ろしい「モンスター」である。ゾンビは「モンスター」かというと微妙に違う気がする。彼らは「元・人間」の「死体」,動く死体なのだ。面倒臭いのだ。しつこいのだ。噛まれたら感染するウィルスキャリア的な存在なのだ。

逃げても無駄,という中でどうやって生きるか。一つの答えは,「受容」である。

ロメロはこの後,20年の時を経て,2005年から再びゾンビ映画を撮ります。「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005),「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」(2007),「サバイバル・オブ・ザ・デッド」(2010)。まだどれも観てない。とりあえず,観たい。

しかし,邦題が「死霊のえじき」ってのが凄いね。当時は,「死霊のはらわた」(日本公開1985年)とか「死霊の盆踊り」(日本公開1986年)とか,ゾンビ的スプラッタ映画はみんな「死霊」だった気がする。スティーブン・セガールの映画が全部「沈黙の」になるのと一緒か。

★★


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