2018年12月20日

イコライザー(原題:The Equalizer)(アメリカ,2014)

ホームセンターで働く中年のマッコール(デンゼル・ワシントン)。同僚からも慕われている真面目な男。毎晩行きつけのダイナーでハーブティを飲みながら読書をするのを日課にしている。そのダイナーで,ロシア系の若い娼婦アリーナと知り合いになる。

「イコライザー」とカタカナで書かれると,何のことだかさっぱり分かりませんが,equalizerです。直訳すれば,「平等にする人」でしょうか。つまり,アメリカ版「仕事人」です。ただの律儀な独身中年男マッコール,実は凄腕の元CIA。刺青だらけの恐ろしげなロシアンマフィアも瞬殺。

80年代にアメリカで放映されたテレビドラマ『ザ・シークレット・ハンター』が原作の映画。悪い奴らが殺されまくります。

★★★



2018年12月6日

レスラー(原題:The Wrestler)(アメリカ,2008)

かつて絶大な人気を誇ったプロレスラー,ランディ“ザ・ラム”ロビンソン(ミッキー・ローク)。今は週末に場末のリングに上がりながら,平日はスーパーでアルバイトをしながら食いつないでいる。ある日,試合後に心臓発作で倒れてから,自分の人生を振り返る。

かつての栄光が忘れられなくて,愛する人を悲しませてしまう男の不器用さにやきもきするけれど,俺は俺でしかないし,俺でしかいられない。それが俺である。

プロレス仲間はみんながみんな,若手もベテランも,かつてのスターであるラムを尊敬しているところは,見ていて心が温まる。

★★★★




2018年11月26日

ドラゴン怒りの鉄拳(原題:精武門,Fist of Fury)(香港,1972)

言わずと知れた,ブルース・リー主演映画第二作目。私の原点です。もう今まで何度見たことか。また見てしまいました。ブルース・リーと言えば,一般的には『燃えよドラゴン』ですが,私は本作か『ドラゴンへの道』です。怪鳥音とヌンチャク。鍛え抜かれた肉体,突き蹴りのスピード,独特のステップとリズム。そして何よりその佇まい。ジャッキー・チェンのコミカルな蛇拳や酔拳が全盛だった小学生当時,ちょうど10回忌上映の映画館で見た『怒りの鉄拳』に度肝を抜かれました。

清朝末期の上海。精武館という道場で多くの弟子を抱える大武術家・霍元甲が突然死んだ(ちなみに霍元甲は,上海精武体操学校を創設した実在の人物)。師匠の死を信じられない一番弟子のチェン(陳真,ブルース・リー)は,師匠が毒殺されたことを知り,黒幕に怒りの鉄拳を喰らわすべく,復讐を誓う。

黒幕は,柔道場を構える日本人道場主・鈴木(橋本力)。日清・日露戦争後の1909年という時代設定であり,横柄極まりない日本(人)が上海で大手を振っています。日本人を示すアイコンは,ハラマキと袴。ちなみに,日本人役の役者が袴を前後反対にはいているのは,やっぱり変(笑)。

★★★★★


2018年11月2日

ピエロがお前を嘲笑う(原題:Who Am I)(ドイツ,2014)

ハッカー集団の犯罪サスペンス映画。ハッカーのベンヤミンは,ロシア・マフィアとつながってる大物ハッカーに命を狙われている。ユーロポールに自首してきた彼は,自分が犯罪に手を染めるようになった事の顛末を語り,大物ハッカーの逮捕に協力する代わりに,保護を求めてきた。

映画らしい映画です。映像で説明できる映画ならではのストーリー展開と仕掛け。話の最後は一体どこに着地するのか。

このところ,最後まで見る気が失せる映画を何本か見たので(『デューン 砂の惑星』,『ヒルコ 妖怪ハンター』),これは最後まで面白く見られました。でも,人にお勧めするほど感動的に面白いわけではなかったなぁ。悪くはない。それなり,です。

ちなみに,日本語タイトルの「ピエロがお前を嘲笑う」は,ハッカー集団のチーム名「CLAY(Crowns Laugh At You)」から来てました。

★★


2018年10月16日

帰ってきたヒトラー(原題:Er ist wieder da)(ドイツ,2015)

総統が70年後の現代(2014年)にタイムスリップしてくる!ひょんなことからテレビに出演して激似のモノマネ芸人として人気を博す。しかし,その魅力的なカリスマ性に,ナチスを猛省したはずの現代のドイツ人も恐る恐るだがだんだんと引き込まれていく。

ドイツ国内を回って国民と対話したり,政治家やテレビ討論番組の司会者とのやりとりは,まるでドキュメンタリー映画のように撮っている。だから,これは本当のことなのか映画なのか分からなくなる仕掛けになっている。

しかし,こういうタブーを真正面から扱うドイツはすごい。自分たちドイツ人の過去の過ちに眼を瞑らず,絶対に繰り返してはいけないことを忘れないために,ヒリヒリと痛む古傷をあえて確認しているようである。これは決して自虐ではなく,むしろ勇気である。

ちなみに,ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)を見つけて一緒に旅をして対話を撮影したりテレビに持ち込んだり主演映画を撮ったりした準主役のザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)の衣装は,『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ(マイケル・J・フォックス)のパロディですね,たぶん。

★★★★


2018年10月7日

クローン(原題:Impostor)(アメリカ,2001)

ゲイリー・シニーズ主演の,アメリカSFサスペンス映画。

西暦2079年,高度な文明を持つケンタウリという異星人による侵略からの抗戦を続ける中,スパイ罪で捕らえられた科学者スペンサー・オーラム。地球の議長と会談する予定を控えた彼は,強力な爆弾が内臓されたケンタウリのクローンだと言うのだ。もちろん本人に身に覚えはない!

原作はフィリップ・K・ディックの短編『にせもの』(The Impostor)の映画化。

スペンサーは,本物なのか?偽者なのか?そして映画の衝撃的ラスト。さすがディック。

★★★★


2018年9月26日

泳ぐひと(原題:The Swimmer)(アメリカ,1968)

すごい映画を観てしまった。

水泳パンツ一枚で突然,豪邸(他人の家)のプールに現れる健康的な壮年男性。豪邸の夫婦と友人らしい。青い空を見てふと思いつく。そうだ,友人の豪邸にあるプールを順にたどって,自分の家(豪邸)まで泳いで帰ろう!

"What are you doing here?" "I am swimming home!"

絶対一度は観た方が良い映画。

さて,この映画を観て,何か映画を観たらブログに残しておこうと思いたちました。ときどき投稿します。

★★★★★